分析を公開しました「東京オリンピックはテレビ視聴者にどのように見られていた? 」

掲載日:2021年8月16日

  TVISION INSIGHTS株式会社(以下TVISION)は、東京2020 オリンピックが全体を通してどのように見られていたのかをまとめました。

今回使用した指標

テレビがついているときに、視聴者がどれくらい注目しているかを表す「注目度」のような指標です


※世帯視聴率1%あたりの視聴者の割合

目次

開会式、閉会式はどのシーンが注目された?

  TVISIONのデータでは「テレビを見ている視聴者が、注目した場面」を1分単位で出すことができます。東京2020オリンピックの華々しいスタートである開会式と、さまざまな競技の、熱いストーリーが繰り広げられた17日間の終わりとなる閉会式は、どのように見られていたのでしょうか。

開会式の見られ方

7/23放送 東京2020 オリンピック 開会式の見られ方

この開会式で一番注目されたのは、20:21ごろ、俳優でダンサーの森山未來さんによるパフォーマンスのシーンでした。新型コロナの犠牲者や、ミュンヘン大会で亡くなったイスラエル選手・コーチ11人の犠牲者への追悼の意味が込められているそうです。続いて選手団の入場がおよそ2時間かけて行われ、その中でも、やはり最後に入場した日本の選手団の入場行進で再び注目が集まりました。その後いくつかのプログラムを経て、ジョン・レノンさんの「イマジン」を、各大陸を代表する歌手が歌い上げる映像が流れるところまで注目を維持しました。

最後は聖火が会場に到着し、吉田沙保里さんと野村忠宏さんから聖火を引き継いだ長嶋茂雄さん、王貞治さん、松井秀喜さんが走る場面で注目が高まりました。

閉会式の見られ方

8/8放送 東京2020 オリンピック閉会式の見られ方

  多くの感動を生んだ17日間を締めくくり、そして次の開催地であるパリへとつなぐ閉会式は、終盤手前まで注目されたシーンがありました。

閉会式で一番注目されたのは開始6分、日本の国旗掲揚のシーンでした。宝塚歌劇団の方たちがはかま姿で国歌を歌うシーンは印象的でした。

その後、1964年の東京オリンピック開会式で流れた「オリンピック・マーチ」を入場曲として、それぞれの国や地域の旗手が入場するシーンでも注目されました。その後選手入場があり、東京スカパラダイスオーケストラによるショーまで、注目を維持しました。

  21:35ごろから、2024年の開催都市であるフランス・パリへと引き継ぐセレモニーが始まりました。パリの街並みをBMXの選手が上に下にと走りめぐる映像が始まると、そこでも注目が集まりました。 次のオリンピックも楽しみですね。

視聴者が一番熱狂した競技とは?

  ではオリンピック全体を通して、どのような競技が注目を集めたのでしょうか。

個人全体 オリンピック期間中に注目された競技TOP3

※1 TVISION推定視聴率が5%以上の番組を対象としています。
※2 放送時間が15分未満の番組は除いて修訂しています。
※3 少数第2位を四捨五入しています。
※4 2021年7月23日(金)~8月8日(日)に放送されたオリンピック関連番組を対象としています。

まず初めに、個人全体で注目された競技のランキングを見てみると、1位は「スケートボード 男子ストリート決勝」となりました。スケートボードは本大会から採用された競技です。堀米 雄斗さんが初代金メダリストとなり、多くの注目を得ました。今後スケートボードの競技人口が増えていきそうですね。

続いて、男性と女性ではどのような競技が注目を集めたでしょうか。

男女別 オリンピック期間中に注目された競技TOP3

※1 TVISION推定視聴率が5%以上の番組を対象としています。
※2 放送時間が15分未満の番組は除いて修訂しています。
※3 少数第2位を四捨五入しています。
※4 2021年7月23日(金)~8月8日(日)に放送されたオリンピック関連番組を対象としています。

  男性と女性では、見られた競技が大きく違いました。男性は1位~3位全てがサッカーとなりました。1位のニュージーランド戦は、延長戦でも無得点で、PKまでもつれた試合。4人全員がゴールを決めたのに対しニュージーランドは2名が失敗したため、日本の勝利が決まり、ロンドン大会以来の準決勝進出が決まりました。

  対する女性は、1位が閉会式となりました。開会式や競技よりも、注目していたという結果になります。2位、3位はどちらも団体競技がランクインしました。

属性別でみるオリンピックの注目度は?

  続いて属性別でどれくらい注目の差があったのでしょうか。7月23日~8月8日のオリンピック期間中のテレビ番組ランキングの上位20番組のうち、何番組がオリンピック番組だったのかを、属性別で見てみました。

オリンピック期間中のテレビ番組ランキングのうち、属性別でオリンピック競技がランクインしていた数のグラフ

※1 番組名にオリンピックと入る番組数をカウントしています。
※2 オリンピック以外のレギュラー番組は、同一番組名が2番組以上ある場合は、重複を削除しています。

  属性の中で男性は、上位20番組中18番組もランクインしており、圧倒的にオリンピック番組に釘付けになっていたという結果となりました。男性に続いて、「男女35~49歳」の注目度が高くなっていました。

テレビ離れと言われている若年層の中でも、「男女13~19歳」は10番組がランクインしており、オリンピックに注目していたといえるのではないでしょうか。「男女35~49歳」、「男性全般」の注目が高いことから、普段はあまりテレビに注目していなくても、オリンピックは家族で一緒に見ていたということも推測されます。

「男女50歳以上」は、普段とあまり変わらないテレビの見方をしていた可能性があります。

通常期よりオリンピック期はテレビに釘付けになっていたのか?

  今度はオリンピック期と通常期でテレビの注目がどれほど変化していたのかについて、属性別で見てみます。

※7月1日~7月22日の通常期と7月23日~8月8日のオリンピック期におけるアテンション含有率を属性ごとに比較

  いつもより最も見ていたのは「男女4~12歳」の平日お昼で、通常期より6.5%も多くテレビに注目していたことになります。夏休みの影響もあると思いますが、概ね若年層は通常期よりじっくりテレビを見ていたことが分かります。

  いつもとそう変わらないテレビの見方をしていたのは50歳以上の方々でした。上述にもあるように、オリンピック期だからと特別にテレビにかじりついていたのは、どちらかというと若年層であったということが言えそうです。

オリンピックならではのCMはどのように見られていた?

アサヒビールのメダル獲得祝福CM

 ※対象番組:テレビ朝日 7月25日17:00-19:50

※通常CM:上記対象番組内で放送された特別CMを除くCM

※オリンピック中継:上記対象番組のCMを除く本編

  オリンピック開催中には、普段はあまり見られないようなCMも流れました。

例えば7月25日にテレビ朝日にて放送された、柔道女子52kg級/阿部詩さんの競技。阿部詩さんの金メダル獲得直後に、福山雅治さんが出演したアサヒビールのメダル獲得祝福CMが流れました。

オリンピック中継は放送時間が長いため、視線をそらす時間も多いと考えられます。しかしこのCMは、通常CMにくらべてよく見られていました。(上記グラフ矢印①で18.9%から24.8%と5.9%も増加しています)

さらにこのCMは、オリンピック中継全体よりも注目されていました。(上記グラフ矢印②で1.3%増加しています)メダル獲得シーンで注視が増え、その勢いのままに連動CMがよく見られたということが推測されます。

コカ・コーラの「コークで乾杯」特別CM

※対象番組:フジテレビ 7月26日22:20-23:00
※通常CM:上記対象番組内で放送された特別CMを除くCM
※オリンピック中継:上記対象番組のCMを除く本編

  7月26日にフジテレビにて放送された、卓球混合ダブルス/水谷隼さん・伊藤美誠さんの競技でも、金メダル獲得直後に綾瀬はるかさんが出演したコカ・コーラ、「コークで乾杯」CMが流れました。

このCMは、画面に表示された二次元コードでくじ引きに参加可能で、当たればコカ・コーラ製品1本と交換できるCMです。こちらのCMも通常CMよりも8.6%も多く注目されました。さらに、オリンピック中継よりも0.6%多く注目された、という結果になりました。

くじ引きのサイトにアクセスが集中し、なかなか読み込みができなかったという意見が多くあるのにも納得ができます。

  東京2020 オリンピックの開幕までは、コロナ禍での開催に賛否両論もありました。しかしいざ開幕すると、多くのドラマを生み、たくさんの感動を与えてくれたオリンピックでした。パラリンピックは8月24日から開幕となりますね。そちらにも注目して参ります。

<本件に関する問い合わせ先>
TVISION INSIGHTS株式会社 広報担当 峯島、佐野
東京都千代田区大手町1丁目6番1号大手町ビル6階
E-mail   info@tvisioninsights.com
Tel(担当直通) 050-5472-8861

目次
閉じる