テレビCMの忘却率とは?認知率との関係性や忘却率を考慮した効果最大化のポイントと併せて解説

この記事は次のような方のための記事です。

  • これからテレビCMの出稿を考えている方
  • テレビCMの効果がどれくらい持続するのか知りたい方
  • テレビCMを戦略立てて出稿したい方
  • 次に出稿するテレビCMを前回より効果のあるものにしたい方

「忘却率」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。テレビCMの出稿を検討する際、忘却率は非常に重要な指標になります。

テレビCMの出稿を検討する際、「テレビCMの出稿効果をどのように計画立てればいいのか」「テレビCMの効果はどれくらい継続するのか」ということが気になる方も多いでしょう。そのような「CMの効果測定」「CMの出稿量」の判断に直結する指標が「忘却率」です。また、既にテレビCM出稿経験のある方も、忘却率を理解することで、次に出稿するテレビCMの改善に繋がります。

この記事は、テレビCM出稿時に重要な指標「忘却率」について解説していきます。

忘却率の重要性、忘却率と関連する他の指標、認知率との関係性を探りながら、テレビCMの効果を最大化するポイントと併せて解説します。テレビCM出稿後の効果測定ツールも紹介しますので、テレビCMを出稿する方は必読です。

目次

テレビCMにおける「忘却率」とは

そもそも、テレビCMにおける「忘却率」とはどのようなものなのでしょうか。

忘却率とはその名の通り、広告を出稿してから一定の期間が経過後、テレビCMが視聴者から「どれだけ忘れられてしまったのか」という指標です。広告の効果測定や、出稿前に効果を予測する際に活用します。

一般的に、期間が長くなれば長くなるほど、広告は忘れられていきます。(忘却率は小さくなっていきます。)

参考:一緒に理解しておきたいテレビCMの「残存効果」・「アドストック」とは?

テレビCMの忘却率と一緒に理解しておきたいのが、「残存効果」「アドストック」という言葉です。

「残存効果」とは、視聴者が広告と接触した後、広告の効果が一定期間続く(残存する)という考えです。この時、残存する広告の効果は、時間の経過とともに徐々に少なくなっていきます。

「アドストック」とは、残存効果をモデル化した指標のことです。アドストックは、一般的に以下の数式で表すことができます。

At=Tt+λAt−1

  • At: 時点tでのアドストック
  • Tt: 時点tでの広告指標(視聴率など)
  • λ: 忘却率(0から1の間の数値)

広告の効果がどれだけ持続するかは、上記の式中のλ、すなわち忘却率によって左右されます。つまり、忘れられにくい広告であれば、それだけアドストックが大きくなります。

忘れられにくい広告の効果が長く持続するということは直感的にわかりますが、それを数字で表せるようにしたのが上記の数式です。

テレビCMにおいて「忘却率」を考慮する重要性

さて、どうしてテレビCMにおいて「忘却率」を考慮しなければならないのでしょうか。いくつか理由はありますが、次の3点が重要なポイントです。

テレビCMにおいて「忘却率」を考慮する重要性
  • テレビCMの効果を時系列ごとに推計する際に役立つ
  • 効果的な出稿戦略のヒントになる
  • 広告の効果がわかりやすくなる

一つずつ解説していきます。

1:テレビCMの効果を時系列ごとに推計する際に役立つ

忘却率を考慮することは、テレビCMの効果を時系列ごとの推計することに役立ちます。もし、忘却率を考慮しないで広告出稿を検討すると、ただ視聴率が高ければ良い、という結論に行き着いてしまいがちです。しかし、広告出稿の目的は「売上」です。

広告を出稿してからすぐに購入につながれば、「視聴率」と「売上」の関係が分かりやすいですが、実際の購買行動はそうはなりません。なぜなら、買い物は休みの日にする消費者もいますし、高額な買い物などはボーナスが出てからにしようという消費者もいます。

このような場合、忘却率を考慮して広告のアドストックを見ることで、広告の効果を時系列で分析しやすくなります。

2:効果的な出稿戦略のヒントになる

忘却率を考慮して広告出稿を検討することは、戦略的な出稿に繋がります。上記の項目で言及したように、消費者は広告を出稿してからすぐに購買行動を起こすとは限りません。このように広告出稿から購買行動までの時差がある際、忘却率を考慮することで「次の広告をいつ出稿すればいいのか」ということも見えてきます。

また、別々に出稿した広告の忘却率を見ることで、「消費者の印象に残りやすい広告」がどのような広告か、ということも見えてきます。もちろん、消費者の心に残るCMを出すことがベストです。忘却率を比較して、消費者の印象に残りやすい広告はどのようなものなのかを検討することで、クリエイティブの制作にも活用することができます。

3:広告の効果がわかりやすくなる

忘却率を考慮して広告効果を検証することで、広告の効果が分かりやすくなります。例えば、視聴率のみで広告効果を判断する場合、広告出稿時点での見かけ上の効果しか測ることができません。

しかし、広告の効果はアドストックとして持続しています。例えば、「効果測定をしたい広告」を出稿したタイミングの「1か月前に出稿した広告」の効果が今も残っているのです。

そのため、二つの広告の効果を忘却率を考慮して測ることで、総合的な広告効果を知ることができます。

テレビCMの忘却率と認知率の関係

テレビCMにおける忘却率の重要性が分かったところで、認知率との関係についても紹介します。認知率と忘却率には密接な関係があります。認知率と忘却率の両方の関係性を理解することは、テレビCM出稿の計画を立てる上で非常に重要です。

【前提】テレビCMの認知率とは?

そもそも、テレビCMにおける認知率とはどのようなものなのでしょうか。

認知率とは、その名の通りテレビCMがどれだけ認知されているか(知られているか)という指標です。多くの人が知っているテレビCMほど、認知率が高いということになります。

認知率を知る上で重要な指標「フリークエンシー」

認知率を知る上で重要な指標が「フリークエンシー」です。フリークエンシーを日本語で分かりやすく言い換えると、「接触回数」となります。フリークエンシーの単位は「回数」です。

つまり、フリークエンシーとは、「広告がどれだけ視聴者に接触したか」という指標です。例えば、一人の視聴者が同じ広告を3回見た場合、フリークエンシーは3回となります。もちろん、一人の消費者がたくさん広告に触れた方が認知率は高まります。

一方、フリークエンシーが多すぎると、嫌悪感を抱かれる原因にもなります。フリークエンシーはバランスが重要になってきます。なお、フリークエンシーと似た概念で「リーチ」というものがあります。リーチは「広告が何人に到達したのか」という指標です。

上記の例でいうと、一人の視聴者が同じ広告を3回見た場合、フリークエンシーは3回となりますが、リーチ数は1ということになります。

フリークエンシーの推計方法は、一般的に次の方程式で表すことができます。

フリークエンシー=GRP÷リーチ

フリークエンシーについては、下記の記事に詳しく解説されています。

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フリークエンシーの推計に必要な指標「GRP」

フリークエンシーの推計には、「GRP」という指標が必要です。「GRP」とは「Gross Rating Point」の略称で、日本語にすると「延べ視聴率」となります。

GRPは一般的に下記の方程式で表されます。

GRP=視聴率×フリークエンシー(放送回数)

例えば、視聴率が10%、フリークエンシー(放送回数)が10回であれば、GRPは100となります。

忘却率と認知率の関係

さて、テレビCMにおける認知率について分かったところで、忘却率との関係について見ていきます。

一定期間の認知率を比較すると、忘却率が見えてきます。つまり、広告の「認知率」が一定の期間でどれだけ減衰するか(忘れられるか)を表す指標が「忘却率」なのです。

例えば、ある広告の認知率が30%だったとき、同じ広告の1か月後の認知率が24%だった場合、忘却率は0.8となります。(認知率が1か月間で80%になった、ということです。)

一般的に、認知率が高いほど、忘却率も高くなります。すなわち、よく知られている(認知率が高い)ほど、忘れられにくい(忘却率が高い)ことになります。

テレビCMの忘却率を考慮する際の注意点

テレビCMの忘却率を考慮する際の注意点を紹介します。最も留意すべきポイントは、忘却率はあくまでも仮説でしかないということです。広告出稿前には忘却率を考慮して出稿計画を立てますが、その時点での忘却率数値は仮説です。当初立てた予定を絶対の数字としてしまうと、実測値と乖離が出てしまうため注意が必要です。

また、忘却率は商材やメディア等、その時々の条件によって大きく異なる場合があることも忘れてはいけません。

テレビCMの効果を長く持続させるための3つのポイント

ここからは、テレビCMの効果を長く持続させるための3つのポイントを紹介します。

テレビCMの効果を長く持続させるための3つのポイント
  1. 視聴者の印象に残るCMクリエイティブを制作する
  2. 最適な広告出稿タイミングを設定する
  3. 最適な広告出稿量(GRP)を設定する

POINT1:視聴者の印象に残るCMクリエイティブを制作する

一つ目のポイントは、視聴者の印象に残るCMクリエイティブを制作することです。印象に残るクリエイティブは、それだけ長い間消費者の心に残ります。残存効果を大きくするためにも、印象に残るクリエイティブを制作することは重要です。

POINT2:最適な広告出稿タイミングを設定する

二つ目のポイントは、最適な広告出稿タイミングを設定することです。例えば、イベントや季節にあったCMは印象に残りやすいです。具体的には、毎年冬になると流れるケンタッキーのCMは、皆さんすぐに頭に思い浮かべることができるのではないでしょうか。

また、スポーツ中継の合間に流れるコカ・コーラのCMなどもイメージが付くのではないでしょうか。イベントや季節につながったCMは、印象に残りやすいです。

POINT3:最適な広告出稿量(GRP)を設定する

三つ目のポイントは、最適な広告出稿量(GRP)を設定することです。GRPが大きいほど、認知率も伸びる傾向にあります。すなわち、忘却率が高くなります(忘れられにくくなります)。

効果的なテレビCM出稿量のヒントを得る具体的な方法

効果的なテレビCM出稿量のヒントを得る具体的な方法を紹介します。具体的には、広告出稿を検討するためのツールを使用することがオススメです。

効果的なテレビCM出稿量のヒントを得る方法まとめ

効果的なテレビCMの出稿量のヒントを得ることができるツールを2つ紹介します。

方法特徴こんな方におすすめ
TelescopeテレビCMが見られた量を計測してくれる競合他社との比較をスピーディに行いたい人
タイムA-URシミュレータータイムCMの計測をしてくれるCMのフリークエンシーとユニークリーチ数を測定したい人

今回紹介するTelescopeとタイムA-URシミュレーターは、どちらもテレビCMの最適な出稿量やCM改善のヒントを得られるツールです。ただし、それぞれ使い方や活用シーンがことなりますので、この後解説する内容を参照いただき、最適なツールを選択してみてください。

Telescope:効果的なテレビCM出稿量のヒントが得られるツール

Telescopeとは、テレビCMが見られた量を計測してくれるツールです。視聴率やGRPは、視聴者が画面を向いていたか(CMを見ていたのか)は分かりません。Telescopeは、「視聴者が画面を向いていたのか」ということを指標化し、一歩進んだ広告出稿データを提供してくれるツールです。

Telescopeはこんな方にオススメ

Telescopeは、自社と他社との広告効果測定指標の比較をスピーディに行いたい人にオススメです。広告の効果測定を行う際、データがどれだけ早く手に入るかは重要です。Telescopeはデータ取得まで時間がかからないため、素早い改善活動に役立ちます。

Telescopeを利用する3つのメリット

Telescopeを利用する3つのメリットを紹介します。

Telescopeを利用する3つのメリット
  1. どの番組で流したCMが一番みられたかが分かる
  2. 自社と他社と広告指標を比較できる
  3. データを確認するまでに時間がかからない

1.どの番組で流したCMが一番視られたかが分かる

Telescopeを利用することで、どの番組で流したCMが一番視線を集めたのかを把握できます。視線を集めたCM、集めなかったCMを確認することで、次の出稿の改善につなげられます。

2.自社と他社と広告指標を比較できる

Telescopeを利用することで、自社と他社との広告指標を比較できます。例えば、競合他社の出稿状況やGRPはもちろん、他社のCMがどれくらい見られたのか(視線を集めたのか)も確認できます。

3.データを確認するまでに時間がかからない

Telescopeは、最短2営業日でデータをビジュアライズしてくれます。レポートの作成などを待たずに管理画面から数値を確認できるため、改善活動をスムーズに行えます。

タイムA-URシミュレーター:タイムCMのフリークエンシーがわかるツール

タイム番組選定をツールで簡単にできる「タイムA-URシミュレーター」

タイムA-URシミュレーターは、タイムCM(番組のスポンサーとして放送するCM)限定にはなりますが、フリークエンシーとユニークリーチが簡単にわかるツールです。

タイムA-URシミュレーターはこんな方にオススメ

タイムA-URシミュレーターは、フリークエンシーやユニークリーチ数が知りたい方にオススメです。広告の効果測定には両方の指標が欠かせませんから、一度は試してみる価値があるでしょう。

タイムA-URシミュレーターを利用する3つのメリット

タイムA-URシミュレーターを利用する3つのメリットを紹介します。

タイムA-URシミュレーターを利用する3つのメリット
  1. 番組ごとのコストやユニークリーチ数が簡単にわかる
  2. どんな番組を追加したら良いか、どんな番組を除外したら良いかを教えてくれる
  3. ベストな番組の組み合わせを教えてくれる

1.番組ごとのコストやユニークリーチ数が簡単にわかる

タイムA-URシミュレーターを使うことで、番組ごとのコストやユニークリーチ数を簡単に把握できます。例えば、管理画面上で特定の番組群を選択すると、その番組群で獲得できるトータルユニークリーチ数が分かります。また、同様に選択した番組群でかかるコストも自動計算されます。

2.どんな番組を追加したら良いか、どんな番組を除外したら良いかを教えてくれる

タイムA-URシミュレーターは、現在選択している番組群の他に、どんな番組群を追加したらユニークリーチ数が増えるのかを教えてくれます。また、コストを減らしたい時には、どんな番組群を除外したらユニークリーチ数を減らしすぎることなくコストを削れるかも教えてくれます。

3.ベストな番組の組み合わせを教えてくれる

タイムA-URシミュレーターは、自分が保存した条件で番組群を比較し、ユニークリーチ数を一番獲得できる番組群の組み合わせを検討できます。コストと獲得ユニークリーチ数のバランスを見ながら検討できるので、効果的なCM出稿に繋がります。

まとめ

忘却率とはテレビCM出稿後、視聴者が広告のことをどれだけ忘れてしまったかという指標です。(逆説的に、視聴者が広告のことをどれだけ覚えているのか、という指標です。)

テレビCMを戦略的に出稿する際には、忘却率を考慮して計画を立てる必要があります。なぜなら、忘却率を考慮することで、広告効果を正しく知ることができ、効率的にテレビCMを出稿できるからです。テレビCMの効果は瞬間的なものではなく、視聴者が覚えている限りは続きます。その持続する効果を知るために必要な指標が「忘却率」です。

テレビCMの持続する効果を理解するためには、忘却率と一緒に、「残像効果」「アドストック」の関係性も理解している必要があります。加えて、認知率と忘却率の関係性を理解することも大切です。認知率が高ければ高いほど、忘れられにくくなります。すなわち、それだけテレビCMの効果が長く続きます。

テレビCMを出稿する際は、認知率と忘却率を意識することで、視聴率だけでは測れない本当の広告効果を推測できます。一方、広告出稿時に勘案する忘却率は、あくまでも仮説に過ぎないということは忘れてはいけません。テレビCMの効果を持続させるためには、クリエイティブ・出稿タイミング・出稿量(GRP)が重要になってきます。この3点が忘却率を左右するため、広告出稿の際は意識してみてください。

最後に、テレビCMを出稿した後の効果測定が、戦略的な広告出稿には必須です。この記事で紹介した広告の効果指標を計測できるツールを利用して、効果的な広告出稿を実施してください。

TVISIONテレマガ編集部(ティービジョンテレマガヘンシュウブ)

あまり知られていないようなテレビに関する様々な情報を、余すところなくお伝えしていきます。

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