テレビCMのオンライン送稿とは?従来の搬入方法との違いや費用、メリットなどを詳しく解説

CM素材の搬入は2021年4月からオンライン送稿への移行が本格化しました。そのため、これまでのオフラインによるCMの素材搬入から、新たな対応が必要となっています。

そこでオンライン送稿に対応するにあたり

・オフライン送稿との違い
・いつから対応が必要か
・オンライン送稿のメリット
・オンライン送稿にかかる費用

など、さまざまな疑問があると思います。

この記事では新たに運用が始まったオンライン送稿について、メリットから費用、おすすめのツールまで詳しく紹介していきます。オンライン送稿の導入について理解することで、効率的なCM制作・運用が可能になります。

目次

まずは押さえておきたい「オンライン送稿」に関する基礎知識

はじめに、オンライン送稿に関する基礎知識から見ていきましょう。仕組みや搬入フォーマット、従来の搬入方法との違い、メリットなどを解説していきます。

オンライン送稿とは?

引用元:NEC

テレビCMのオンライン送稿とは、従来のHDCAMテープなどの物理的な素材入稿ではなく、オンライン上でCM素材の入稿を完結させるシステムのことです。

これまでは出来上がったCM素材をHDCAMテープに書き出して広告会社へ納品し、さらに複製したテープをそれぞれの放送局へ納品するというフローが発生していました。しかしオンライン送稿の場合、出来上がったCM素材のデータをクラウド上のシステムにアップロードすることで、放送局への入稿が完結します。

すべての作業をオンライン上で実施するため、素材の複製や現物の配送といった作業工数の大幅削減、素材紛失・破損・輸送トラブルといったリスクの低減が可能になります。

オンライン送稿の仕組み

引用元:NEC

オンライン送稿はメインとなる2つのシステムを使って行います。

1つ目は制作扱い広告会社が素材搬入をするためのシステムです。2つ目は媒体扱い広告会社が素材を確認し、指定する放送局へ素材をオンライン送稿するCMDeCoシステムです。

オンライン送稿のフロー全体の流れを簡単に説明します。

  1. 制作会社または制作扱い広告会社が、完成したCM素材を素材搬入システムにオンライン上でアップロードする
  2. 制作扱い広告会社はアップロードした素材を、素材搬入システム上でオンライン承認を行う
  3. アップロードした素材ファイルが承認されるとCMDeCoに連携されオンライン承認手続きがされる
  4. CMDeCoでオンライン承認されるとオンライン承認番号が発行され、オンライン送稿が可能な状態となる
  5. CMDeCoで10桁CMコードと送稿先となる放送局を指定して送稿を実施
  6. CMDeCoから素材搬入システムに搬入指示がリクエストされ、サーバーから各放送局に設置されている送受信サーバーに素材が搬入される
  7. 放送局のサーバーに送稿されて完了

これまでテープに複製したり、1本ずつ目視確認やラベル張りなどのさまざまな工程を要していました。しかし、素材のアップロードから素材の送稿までをすべてオンライン上のシステムで完結することが可能となっています。

従来のテレビCM素材の主な搬入フォーマット

オンライン送稿が導入される前は、物理的なメディアフォーマットを使ってCM素材の搬入が行われていました。これまで主流とされてきたHDCAMと、オンライン送稿への変更に併せて運用が切り替わった、現状の物理メディア「XDCAM」について紹介していきます。

HDCAM

HDCAM(エイチディーカム)はメーカーのSONYが開発したビデオテープのメディアです。高性能で長期保存も可能なため、テレビ番組の撮影やCM素材搬入のメイン媒体として長く採用されてきました。

しかし、2023年3月末に保守サポートが終了することが決まっています。それを受けて「テレビCM素材搬入基準【2019年3月改訂版】」によって、2021年3月末でHDCAMによるテレビCM素材の入稿は搬入基準外であることが明記されました。

そのため従来のビデオテープでの送稿に代わり、オンライン送稿の普及が進められています。

XDCAM

XDCAM(エックスディーカム)もSONYが開発した放送業務用のディスクビデオシステムです。HDCAMが磁気テープであるのに対し、XDCAMは円盤状のディスクメディアとSxSメモリーカードの2種類の記録メディアがあります。

XDCAMは記録メディアが軽量でコンパクトであることから、持ち運びや保管にも優れています。また磁気テープはテープの摩擦による物理的な劣化が起こりますが、ディスクメディアは耐久性にも優れていることから、HDCAM以上に長期保管の優位性があります。

2021年3月末でHDCAMによるテレビCM素材の入稿が搬入基準外になったことを受け、現在では映像関連の納品はXDCAMに移行しています。CM素材の送稿は今後オンラインに移行していきますが、バックアップメディアとしてXDCAMは利用されます。

従来のテレビCM素材の搬入方法との違い

引用元:IMD GROUP MEDIA

従来のテレビCM素材の搬入は以下のようなフローでした。

従来の搬入フロー
  1. CM素材の作成
  2. 搬入するCM素材の複製用マスターテープを作成
  3. マスターとなるプリント原版テープからプリントテープを搬入先の数に合せて作成
  4. 複製した各プリントを目視確認、ラベル張り、梱包作業
  5. 媒体扱い会社へプリントテープを納品
  6. 媒体扱い会社にて素材進行、入稿作業を進行
  7. 放送局へ入稿
  8. オンエア

これまでは、記録メディアの現物を用意して物理的に運んで入稿するというのが大きな特徴です。それによってメディアへの複製、物理的な輸送による輸送コストとリードタイムの発生、天候や紛失リスクがありました。さらには複製したメディアすべての目視確認や梱包、ラベル張りなど細かな作業による工数が発生していました。

一方でオンライン送稿を利用したフローは以下のようになっています。

オンライン送稿の搬入フロー
  1. CM素材の作成
  2. 搬入するCM素材を搬入システムにアップロードしオンライン承認
  3. 媒体扱い会社がCMDeCoにて素材進行、入稿作業を進行
  4. 放送局へ入稿
  5. オンエア

このように、素材のやり取りをすべてオンライン上で行うため輸送コストは不要です。またメディアへの書き出しもないため複製用のメディアコストもありません。

クラウドシステムへのアップロードは早いと数分で可能なため、地方局への納品であっても今までのようなリードタイムを見る必要はありません。物理的なメディアの納品ではないため、悪天候による輸送リスクや紛失リスクも避けられるなど、オンライン運用にすることで得られるメリットが多くあります。

【参考】CMDeCoとは?

引用元:広告EDIセンター

CMDeCo(シーエムデコ)とは、広告EDIセンターが提供するオンライン送稿のシステムです。

主な役割としては、放送局への送稿を行うシステムです。ただしCMDeCoは素材データを格納しているわけではなく、あくまで送稿用のシステムです。そのため素材搬入システムと連携して、素材搬入システムのサーバー上にあるファイルを指定し、放送局への送稿作業を行っています。

CM素材が素材搬入システムのサーバー上にアップロード・承認されたら、CMDeCoと連携しオンライン承認を行います。問題なくオンライン承認番号が発行されたのち、各放送局を指定して送稿を実施すると、素材搬入システムに該当のCM素材ファイル送稿のリクエストが送られ、各放送局のサーバーへ送稿されます。

これらCMDeCoの操作は基本的に媒体扱い広告会社が担当します。

テレビCMのオンライン送稿を利用する3つのメリット

従来の方法に慣れている場合、新しいフローは少々面倒に感じることが多いと思います。しかしオンライン送稿はそれを上回るメリットも存在します。

テレビCMのオンライン送稿を利用する3つのメリット
  1. 入稿作業の工数と費用の削減
  2. 時間の短縮と効率化
  3. コンテンツのオンライン上でのアーカイブ化

ここではこれら3つのメリットについて説明していきます。

1.入稿作業の工数と費用の削減

オンライン送稿を利用することで、従来のフローと比べて作業工数とコストを大幅に削減できます

これまでは、CM素材を用意した後はテープという現物での納品が必要でした。さらに納品する局ごとにテープを複製するため、オンエア規模によっては膨大な量になります。オンライン送稿であればCM素材のメディアへの書き出しはなく、搬入システムにアップロードすることでその後の承認や送稿までをすべてオンライン上で完結できます。

そのため従来フローよりも費用を削減できるのです。

削減できる費用
  • 複製用メディアのコスト
  • メディア搬入の運送コスト

また従来はメディアへ書き出す作業に加えて、1つ1つを目視で確認していた作業も、オンライン送稿であればアップロードした素材の確認のみで完了します。その後の媒体扱い会社での承認作業や確認もオンライン上で出来るため、それぞれの作業プロセスの進捗を確認しながら進められます。

削減できる工数
  • 複製用マスターテープの作成
  • 搬入先用のプリント作成
  • 複製したプリントの目視確認、ラベル張り、梱包作業
  • プリントの持ち込みや運送会社手配などの納品作業

このようにオンライン送稿にすることで、これまで送稿にかかっていた膨大な作業工数だけでなく、費用面も大幅に削ることができます。

2.時間の短縮と効率化

オンライン送稿にすることで今までかかっていた時間を大幅に短縮することが可能です。

これまで入稿素材のメディアを輸送していたため、媒体会社への納品に1営業日、媒体会社から放送局への輸送に最低1営業日、地方局の場合はさらにバッファを見る必要がありました。しかしオンライン送稿であれば、実際の輸送作業は一切なくなります。

素材をシステムにアップロードした後はすべてオンライン上で作業するため、輸送のためのリードタイムを取る必要がなくなりました。さらに実物の輸送の場合は、天候や災害による遅延のリスクがあります。しかしオンライン送稿であれば、そういった不測の事態による遅延もリスクも回避できます。

また、実物の素材のやり取りをしていた際は、現物が手元に届かない限り作業を進められませんでした。オンライン上でのやり取りであれば、進捗状況の確認から作業への取り掛かりまでも一貫してできます。そのため「待つ」ことによるタイムロスをなくすことも可能です。

3.コンテンツのオンライン上でのアーカイブ化

オンライン送稿を利用することで、スペースの確保をしなくても、簡単にアーカイブ管理が可能になります。従来はアーカイブとして保管するためには、ビデオテープの状態で保管するため、スペースを確保する必要がありました。

しかしオンライン送稿の場合は、使用する素材はクラウドシステム上にアップロード、保管されます。そのためメディアによる保管が不要なのに加えて、クラウド上にアクセスすれば閲覧ができます。共有したいメンバーに権限を付与すれば、簡単にデータを必要なメンバーへ共有することが可能です。

テレビCMのオンライン送稿を利用する際の注意点

テレビCMのオンライン送稿を利用することはメリットも大きいですが、注意するべき点もあります。

テレビCMのオンライン送稿を利用する際の注意点
  • システム利用料がかかる
  • 運用実績が浅いため広告会社の理解度が低い場合がある
  • 後工程作業で費用がかかる

以上の注意点について、それぞれ解説していきます。

システム利用料がかかる

これまでのHDCAM搬入で使用していた機材は基本的には使用しません。そのためオンライン送稿用に新たにシステムを契約する必要があります。

多くの素材搬入システムは送稿数に対する課金のため、月次で発生する固定費はありません。ただしオンライン送稿と従来のフローを併用しながら移行する場合、同時期に費用がかかってしまうため、事前に費用の確認が必要です。

運用実績が浅いため広告会社の理解度が低い場合がある

現在はオンライン送稿の調整期間なので、運用実績が浅いことから、広告会社をはじめとする関係者のワークフローの理解度が低いケースがあります。

AA/JAAA/JAC/OACの4団体の円卓会議による「新しい働き方のための広告制作プロセスマネジメントハンドブック」があるので、こういったものを活用してワークフローの事前確認を行いましょう。

後工程作業で費用がかかる

CM制作フェーズ後の後工程作業(搬入フェーズ)において、システムへのアップロード、メタデータの入力といった作業が必要です。これからの作業を依頼する場合、工数に伴った費用が発生することがあります。

特に、これまで後工程で発生していたオンエアフォーマットの作成は制作費に含まれることが慣習でしたが、今後は作業が分解されるため費用が発生します。また、オンラインによって誰でも簡単にシステムで作業ができるため、「誰が」「何を」やるのかが不明確になってしまうケースがあります。

そのため、事前に関係各社で作業内容を明確にし、費用についても合意を取りトラブルを回避する必要が出てきます。

テレビCMのオンライン送稿にかかる料金を関係する事業者別に解説

オンライン送稿の作業はすべてシステム上で行います。しかしそれぞれの工程で作業する事業者が異なります。ここではそれぞれの業者がオンライン送稿でどのような業務を担うのか、またその費用について解説していきます。

1.制作扱い広告会社

制作扱い広告会社は一般的に広告代理店が担当します。広告主からCM制作の発注を受け、自社で撮影・制作もしくは制作会社・ポスプロを使ってCM素材の制作を行います。また、進行管理全体を担当することも多いため、担当作業も多く、広告主とのやり取りも密に発生します。

主な担当業務は以下になります。

  • CM制作の受注
  • CM制作・ディレクション
  • CM素材のメタ入力(制作会社・ポスプロの場合もあり)
  • メタの承認
  • 搬入システムへCM素材のアップロード(制作会社・ポスプロの場合もあり)
  • 媒体扱い広告会社の指定

費用についてはそれぞれの作業およびプロジェクトの進行管理費などが含まれます。

2.媒体扱い広告会社

媒体扱い広告会社はオンライン送稿システムを使って、実際に送稿作業を行います。広告主からの指示に従い、CMDeCoを操作して送稿先放送局を指定し、CM素材を送稿します。CMDeCoからリクエストを受けたCM素材は、搬入サーバーからCMDeCoの送受信サーバーに搬入され、放送局へと送稿されます。

費用については、媒体扱い広告会社が利用するCMDeCoの利用料と作業費用が発生します。

3.制作会社・ポスプロ

制作会社はCMの素材となる映像を撮影し、ポスプロ(ポストプロダクション)は撮影後の映像をデータ化し、映像や音などの仕上げの編集作業を行います。制作会社とポスプロはCM素材の撮影から仕上げまでを担当しているため、オンライン送稿のフロー内では以下のような作業が発生します。

  • CM素材を納品フォーマットに合わせてデータ化
  • CM素材のファイルを素材搬入システムにアップロード
  • CM素材のメタデータ入力

クライアントがOKを出した完パケのCM素材のアップロードは、制作扱い広告会社が行います。しかし制作扱い広告会社に代わって、制作会社・ポスプロが直接サーバーへのアップロード、登録することも可能です。

CM制作の相場としてはCM1本で100万円ほどと言われています。制作会社とポスプロに依頼する際、最低限以下の項目で見積もっておく必要があります。

スクロールできます
費用費用の相場
企画・プランニング費10万円から30万円
撮影費(機材レンタル・カメラマンなど)20万円から80万円
ポスプロ(映像編集・音声編集)15万円から40万円
引用元:アイミツ

ただし費用はCM制作の人数・時間や機材の種類、編集のオプションなどによって大きく変わってきます。あくまで最低限の基本料金と考えましょう。

4.広告主

広告主はいわゆるクライアントと呼ばれ、CMを作りたいと思って計画しているポジションです。予算を持ち、CMの目的や内容を決め、依頼する会社、配信する放送局の選定などの最終決定権を持ちます。

オンライン送稿のフローの中では直接作業に関わることは少ないですが、納品前の完パケCM素材の確認や送稿に関わるすべての判断と確認が必要です。

費用については、依頼内容や規模、依頼する会社の数などにもよるため、全体の費用感を把握して予算を決めましょう。

テレビCMのオンライン送稿についてよくある質問Q&A

新たにオンライン送稿でのテレビCM搬入を運用するにあたって、従来とは使うツールや全体のフローが大きく変わります。

そこで、これから導入しようとした際によくある質問をまとめたので、1つずつお答えしていきます。

オンライン送稿を実施するために必要な手続きは?

オンライン送稿で使用する2つのシステムそれぞれの利用手続きが必要です。

  • 素材搬入事業者が提供するオンライン送稿の支援ツールの契約
  • オンライン送稿のシステム「CMDeCo」の契約

制作扱い広告会社はCM素材をオンライン上へアップロードし搬入するため、オンライン送稿の支援ツールを用意する必要があります。いくつかの素材搬入事業者がツールを提供しているため、その中から契約してサービスを利用できる状態にします。

一方でオンライン送稿のシステムは、広告EDIセンターが提供するシステムがあります。媒体扱い広告会社は広告EDIセンターと契約し、「CMDeCo」のサービスを利用できる状態にしておく必要があります。

オンライン送稿を始める前に準備するものは?

オンライン送稿のツールを利用して送稿作業をする前に、用意するべきものがあります。従来の運用と変わっているものもあるので、直前で焦らないためにも必ず確認しておきましょう。

オンライン送稿を始める前に準備するもの
  • CM素材のファイルフォーマットをMXFファイルフォーマットで作成
  • 素材搬入システムのID付与
  • CM素材のメタデータ

以上について説明していきます。

CM素材のファイルフォーマットをMXFファイルフォーマットで作成

オンライン送稿を利用する上で最も大きい違いは、CM素材のフォーマットがファイル形式に変わることです。

オンライン送稿を利用する場合は、XDCAM方式固有のMXFファイルフォーマットでCM素材をファイルを作成する必要があります。これまでのHDCAMの機材を使用してのCM素材搬入は今後利用できなくなるので、事前の準備が必要です。

またCM素材ファイルの構成もこれまでとは変更になっているので、ファイル作成時に注意しましょう。

  • カラーバー秒数:5秒
  • クレジット秒数:2秒
  • 黒信号:冒頭およびラストカット以降に記録しない

素材搬入システムのID付与

素材搬入システムは、アップロードや承認作業・メタ登録など、システム上で複数の作業にも利用します。そのため、作業者へID付与をする必要があります。作業が滞らないためにも事前にシステムに登録するようにしましょう。

ただし、作業に関係しないもしくは個人を特定できないIDの発行は、CM公開前の守秘義務の観点からも控えなくてはなりません。必要なメンバーのみにIDを発行することをおすすめします。

CM素材のメタデータ

メタ情報の内容は基本的にはこれまでと同じです。素材搬入システムにアップロードする際にこれまでと同様のメタデータを登録していきます。ただし細かく運用変更されている箇所があるので、事前に確認しておきましょう。

  • 素材種類区分は「18:オンライン」とする
  • 要素<media_type>は「オンライン」
  • 属性<code>は「18」

HDCAMテープによる搬入はいつまで利用できる?

HDCAMテープによる搬入ですが、2023年3月末に保守サポートの終了が決まっているため、2021年3月末でHDCAMは搬入基準外となっています。

現在は調整期間とされていますが、2022年4月1日以降に放送されるCMはHDCMAでの搬入はできないと「テレビCM素材搬入基準【2019年3月改訂版】」に記載されています。

しかし調整期間の終了が前倒しになる可能性も考えて、早めに対応をしておくことをおすすめします。

オンライン送稿をしてから放送局へ届くまでの時間は?

基本的にはオンライン上のシステム間で搬入するため、送稿から入稿までほぼ時差はないと考えてよいでしょう。ネットの環境による多少の差異はありますが、CMDeCoで送稿作業をしてから数分程度で放送局への搬入が完了します

ただし送稿のためのクラウドシステムはネットワークを共有しているので、混雑状況によっては稀に数時間かかる場合も考えられます。万が一に備えて早い時間に対応しましょう。

しかしオンライン送稿であれば、地方局への搬入であっても数分で届くため、従来の輸送による搬入と比較すると大幅な時間の短縮となります。また海外へ入稿する場合であっても、オンライン上での入稿で完結するので、ほぼ時差なく搬入が可能です。

再送稿すると課金は発生する?

素材を再送することによる課金はありません。間違って重複して送稿してしまっても、システム上での追加料金は発生しません。そのため万が一素材の不備があった場合でも、簡単に再送稿が可能です。ただし、再送稿する場合は関係者に事前に再送する旨を連絡して対応するのが安全です。

テレビCMのオンライン送稿を支援するツール・サービスのオススメ事業者3選

CM素材を搬入するための支援ツールは現在いくつも用意されています。

  • オンライン送稿のサポートはあるのか
  • セキュリティ面は大丈夫か
  • コストを抑えて利用したい

これらを比較し、自社の必要とするサービスを選ぶことが必要です。ここではオススメする事業者3選を紹介していきます。

テレビCMのオンライン送稿を支援するツール・サービスとは?

テレビCMのオンライン送稿をするにあたって、素材搬入のためのシステムを使用しなければなりません。そのシステムを提供しているのがオンライン送稿の支援ツールです。

ただ、ほとんどの事業者が搬入するだけでなくさまざまなサービスを用意しています。そういったサービスを利用することで、以下のようなメリットがあります。

  • オンライン送稿における業務のサポートを受けられる
  • CM素材をクラウド上にアーカイブ化できる
  • XDCAMプリントなど、オンライン送稿以外のメディアプリント対応を任せられる
  • 安全性の高いシステムでCM素材を送稿できる

これらのサービスは事業者によってさまざまです。各サービスを比較して、優先順位の高いサービスはどの事業者かを検討してみてください。

NECテレビCMオンラインサービス

引用元:NEC

NECでは「NECテレビCMオンラインサービス」という、テレビCMのオンライン送稿を支援する映像管理プラットフォームを提供しています。NECは日本の放送局が開局したのと同時に、映像設備やシステムの提供を行ってきたなど圧倒的な実績があります。NECテレビCMオンラインサービスがどのようなサービスなのかについて解説していきます。

特徴

NECテレビCMオンラインサービスの特徴は以下になります。

  • 国内最高レベルのデータセンターで素材を保管
  • ISMS取得済みの運用チームによる安心で安全なサービス運用
  • CM素材のデータファイルを無期限・無料で保管可能
  • 大手制作会社との連携により、字幕制作サポート
  • クラウドサービス上で広告主も全素材の管理とプレビューが可能
  • オンラインサービス以外のXDCAMプリントの一括発注も可能

NECは50年以上にわたって放送システムを提供してきた実績があります。さらに業界大手のポストプロダクション「オムニバス・ジャパン」と連携することで、高品質な映像を制作までをトータルで利用することが可能です。

セキュリティ面では国内最高レベルの堅牢なデータセンターでの素材保管、高セキュリティの体制下での運用をとっているため、安心・安全なサービスを受けられます。また放送局のデータバンクやマスターシステムなどのシステム構築の実績から、送稿業務のサポート体制や、効率化を測るインターフェイス設計なども整えられています。

こんな方にオススメ!

NECテレビCMオンラインサービスは以下のような方におすすめです。

こんな方にオススメ!
  • 実績のある会社にオンライン送稿を一括で任せたい
  • 手厚いサポートを受けたい
  • セキュリティ体制に信頼がおける体制がよい
  • CM字幕を取り入れている、または今後その予定がある
  • 今後CM素材をクラウド上で管理したい

NECは言わずと知れた国内大手のベンダーとして、放送局の映像放映機器や放送局のデータバンク、マスターシステムなどのシステム構築の実績があります。

これまでの実績と放送技術を応用した機能をテレビCMオンラインサービスにも取り入れているため、初めての利用でも安心できます。また、強固なセキュリティ体制が整っているため、公開前のCM素材のやり取りをする上でも安心して利用できます。

近年需要が増えている字幕制作については、大手の制作会社と連携しているなど、制作・編集機能も使うことができ、CM素材の制作・管理面で十分なサポート機能を利用可能です。将来的には、制作ワークフローの一元化やデジタルコンテンツの情報管理など、映像素材管理サービスへの発展も予定されています。サービスを長期で利用していきたいと考えている場合も、発展性が期待できます。

NECテレビCMオンラインサービスの基本情報

  • 料金:初期費用/月額固定費なし(オンライン送稿費のみ)
  • 会社名:日本電気株式会社 (英文: NEC Corporation)
  • URL:https://jpn.nec.com/

IMD Cloud

引用元:IMD GROUP MEDIA

Group IMD株式会社は「IMD CLOUD」というオンライン送稿の支援プラットフォームを提供しています。Group IMDは1996年にイギリスで創業し、世界で最も早い時期からオンライン送稿を手がけました。日本での国内初となるテレビCMの運用は、IMD Cloudシステムで行われています。

世界各国のトップ企業の支援実績も多く、クラウドサービスのグローバルリーダーといえる企業です。

特徴

IMD CLOUDサービスの特徴は以下になります。

  • 世界で最も高速かつ自動化された動画広告プラットフォーム
  • オートQCによるCM素材の自動品質確認
  • CM素材のデータファイルを無期限・無料・無制限で保管可能
  • ワンストップ運用によるXDCAMプリント、字幕CM、海外メディアへの送稿

Group IMDは世界で最も早い時期からオンライン送稿を手がけ、グローバルの100以上の地域でテレビCMなどのオンライン運用をしています。グローバルな実績と、そこで積み上げてきた安全なサービスを利用することが可能です。

IMD CLOUDサービスの大きな特徴の1つが、世界で最も高速かつ自動化された動画広告プラットフォームとして提供していることです。送稿指示からファイル転送にかかる時間は、最短で1分となっています。さらに搬入イベントは全て進捗状況がモニターされているため、60分以上完了しない場合には関係各社に連絡が入るなど、安心のバックアップ体制も整っています。

またオンライン送稿だけではなくワンストップ運用のサービスも提供しています。XDCAMプリント搬入、各種ファイル変換、海外メディアへの送稿、海外からの受入れ、字幕CMなどグローバルな実績を活かしたサービスは多岐にわたります。

こんな方にオススメ!

IMD Cloudサービスは以下のような方におすすめです。

こんな方にオススメ!
  • スピード重視
  • 素材チェック体制を強化したい
  • 海外メディアへの送稿や海外制作の素材受け入れがある
  • 今後CM素材をクラウド上で管理したい

Group IMDは国内だけでなく、世界で実績のあるクラウドサービスのグローバルリーダーです。早くからテレビCMのオンライン送稿を手がけてきたため、その経験をもとに初心者であっても安心できるサービスが整っています。

特にオンライン送稿の最大のメリットである「スピード」に関してはファイル転送最短1分というスピード感で利用することが可能です。さらに転送の進捗状況のモニターもされているため、高速かつ安心にデータ転送を求める方にはオススメです。

またオートQCによるCM素材の自動品質確認に加え、オプションで映像技術のプロによる目視確認も可能です。より精度の高いチェックをすることで安全なCM素材入稿ができます。

ワンストップ運用では海外メディアへの送稿、海外制作のCM素材が受け入れ可能なため、グローバルでの素材のやり取りがある場合は、安心して一括で任せることができます。

IMD Cloudの基本情報

  • 料金:初期費用なし、搬入実施ベースで費用発生
  • 会社名:Group IMD 株式会社
  • URL:https://jp.groupimd.com/

Broadmedia CDN CMオンライン

引用元:ブロードメディア

コンテンツ事業を展開する流通サービス企業であるブロードメディアは、オンライン送稿の支援ツールとして「ブロードメディア®CDN CMオンライン」を提供しています。

ブロードメディアは、CS放送やマルチデバイスに対応した映像配信サービス、クラウドゲームサービスなどコンテンツ事業をメインに展開してきました。そこに加え、映画館への配信システムやホテル向けのWi-Fi整備など、配信技術の開発や世界最高レベルのインターネットセキュリティサービスなども提供しています。

特徴

Broadmedia CDN CMオンラインの特徴は以下になります。

  • 映画館・ホテルでの安定・安全な配信実績
  • オンライン送稿未対応の放送局へのXDCAM搬入を代行
  • リーズナブルな費用
  • CM素材のデータファイルの2年以上の保管無料・容量無制限

ブロードメディアは柱の事業の1つである技術事業において、大規模配信事業や映画館向けのDCP配信事業での実績があります。安定かつ安全な配信が求められるサービスでの経験から、CM素材を安全で迅速に放送局へ搬入することが可能です。

まだオンラインでの搬入に対応していない放送局への入稿が発生した場合、オプションサービスの「XDCAMプリント配送サービス」を利用することで、物理メディアにプリントして搬入するまでの作業を依頼できます。

また利用費用は「単価×新規送稿本数」のみの課金で、その他費用は発生しません。単価はHDCAMプリントの数分の1というリーズナブルな費用で利用が可能です。

アップロードしたCM素材は2年以上であれば保管は無料となります。ただし短期の利用の場合は費用がかかってくるので、注意しましょう。

こんな方にオススメ!

Broadmedia CDN CMオンラインは以下のような方におすすめです。

こんな方にオススメ!
  • オンラインだけでなくオフラインの搬入も全て任せたい
  • 料金のボリュームディスカウントを受けたい

ブロードメディアは配信サービスのスペシャリストとしての実績が豊富なため、高いセキュリティでの運用が可能です。シンプルなシステム設計なので、初心者でも使いやすくなっています。

通常のオンライン送稿はもちろん、まだオンライン送稿に対応していない放送局への入稿を予定している場合、XDCAMプリントから搬入まで全て任せることができます。面倒な作業をすべて代行してくれるので、オフライン送稿がある場合は便利なサービスです。

また、設備を所有していることもありリーズナブルなコスト体系を設けています。具体的には年間の送稿数のボリュームによってディスカウントを受けることができます。もし年間でのボリュームが見込まれている場合は、今年度予定や前年度実績を基に見積もりをすることをおすすめします。

Broadmedia CDN CMオンラインの基本情報

  • 料金:システム利用登録費用なし、従量制(単価×新規送稿本数)
  • 会社名:ブロードメディア株式会社
  • URL:https://tech.broadmedia.co.jp/

効果的なテレビCMのヒントが得られるオススメのツール

効果的なテレビCMを実現するにあたって、

  • 自社のターゲットに刺さるCMは何か
  • 効果的なCM枠はどこか
  • 放映したCMの効果があったのか知りたい

このように思われているのではないでしょうか。そこで、さまざまなデータを利用してCM素材の効果的な制作をサポートするおすすめのツールを紹介します。

Telescope

Telescopeはテレビの視聴態勢のビッグ・データを取得しているTVISION INSIGHTS株式会社が提供する、テレビCMのトラッキングツールです。独自開発した人体認識技術を用いて1秒ごとに取得したテレビの視聴態勢データを使い、テレビCMをわかりやすくデータ分析することが可能です。

Telescopeでは以下をツール上で簡単に知ることができます。

  • GRPと視聴質
  • カテゴリ内の競合ブランド
  • 過去データとの比較

大きな予算をかけて制作するCMの実際の効果や、自社だけでなく他社競合ブランドのデータなどと比較・検証することで、より高い効果のCM制作を実現可能となります

Telescopeがおすすめの3つの理由

Telescopeは充実した機能と効果的なデータ、わかりやすく視覚化されたデザインが備わっています。過去の分析、制作前の戦略、放映後の効果測定などCM素材の制作における戦略ツールとして非常に効果的です。

中でもおすすめのポイントは以下の3つです。

Telescopeがおすすめの3つの理由
  1. 視られた量をデータ化
  2. 過去CMの傾向や他社の出稿状況がわかる
  3. 効果的な枠がわかる全CMデータ

それぞれの理由について紹介していきます。

1.視られた量をデータ化

Telescopeではテレビの視聴の指標として使われている「視聴率」ではなく、独自の人体認識技術による「テレビを視ている瞬間」を取得し、データ化しています。

テレビがついている量ではなく、テレビに顔が向いている「視線の量」を指標にしてデータ化しています。この独自のデータを使うことで、テレビCMが狙ったターゲットに本当に見られたのかを確認できま

そのためこれまでの視聴率ベースでは難しかった「本当にCMを見た人数ベース」が可視化でき、効果を測定することが可能です。

出稿量シェアと実際にCMが視られたシェアの比較など、ツールによって視覚的に効果を確認できるので、想定外の効果によるマイナスのビジネスインパクトにも早急に対応ができます。

2.他社の出稿状況やCMの視られた量がわかる

自社が放映したCMのデータだけではなく、競合や他社がどのくらい出稿しているのか、どれくらい視られているのかも確認できます

具体的には、競合が前年の同時期と比べて出稿が増えている、CMの効果が上がっているなど、他社の動きをデータとしてとらえることが可能です。データを見ることで、同じカテゴリ内でベンチマークしている競合の戦略を読み取ることができるので、早い段階で対策を打てるようになります。

3.効果的な枠がわかる全CMデータ

CM放映の枠を選定する上で、ターゲットに見られる枠を選ぶことが重要です。過去に自社でCM放送したことがなくても、各番組枠の全CMの視られ方のデータが確認できます。そのため、どの曜日のどの時間帯に出稿すれば視られるかを事前に知ることが可能です。

また他にも以下のようなデータが閲覧できます。

  • ターゲットにちゃんと見られている番組か
  • ながら見が多い番組か

視聴率だけではわからない、CMのターゲットとなる層が見ている枠やメディアをデータで把握することができます。これらのデータを組み合わせて使うことで、効率の良いCM出稿の計画を立てられます。

まとめ

すでに従来のHDCAMによる送稿が終了していることから、今後はオンライン送稿へのシフトが必須となっています。移行の手間はかかりますが、オンラインで作業が完結することからメリットも多く、コスト面や時間短縮の面でも大幅な改善が見込まれます。

初めての導入には不明な点もあり、不安も多いと思います。しかし、今は簡単に送稿作業をするための支援ツールが存在するため、業務を効率化できるチャンスでもあります。

CMの効果を高めるためにも、自身に合ったツールを選んで、うまく活用していきましょう。

TVISIONテレマガ編集部(ティービジョンテレマガヘンシュウブ)

あまり知られていないようなテレビに関する様々な情報を、余すところなくお伝えしていきます。

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